みなさん!初めまして。 行動インサイト研究所です!
今日から、ブログを始めました!!行動インサイト研究所です。
みなさんはドナーカードの同意書について、しっかり読んだことがありますか。
実は皆さんはカードの表記の違いだけでドナーに賛成したり反対したりしているんです。
今日は、ドナーカードに潜む人間の行動変容を行動経済学的な視点から考えてみようと思います。
ドナーカードと行動経済学の関係とは?
- 行動経済学とは?
- ドナーカードの同意書ってどうなってるの?
- 行動経済学とドナーカード
- ヨーロッパのドナー希望者ってどうなってるの?
1.行動経済学とは?
「明日から新学期かぁ~ あ!!宿題まったくやっていない!😢」
「株をやりたいんだけど、儲かる方法ないかなぁ」
「今日はサイクリングにぴったりな天気だ~ おっと、ここら辺事故が起きているんだ。気を付けないと」
皆さん、このような経験をしたことはないですか?
このような事例は非合理的な行動といい、この行動原理はすべて行動経済学という学問によってなぜその行動に至るかについて解明されております。
学術的に言うならば、行動経済学とは人間の非合理的な行動に対して、その特徴を明らかにしてどのような経済社会ができるのかを追及する学問です。
2.ドナーカードの同意書ってどうなってるの?
皆さんも一度は見たことあるドナーカード。このような見た目のカード学校の授業などで見たことがありますよね?

・参考文献;日本臓器移植ネットワーク
臓器提供の意思表示は、
で意思表示をすることができます。(日本臓器移植ネットワーク参照)
日本では、ドナー提供までには、4段階のステップがあります。(日本臓器移植ネットワーク参照)
ステップ1:意思の決定
ステップ2では提供したくない臓器の選択
ステップ3:特記欄の記載について
ステップ4:署名など
上記のようなステップを通して健常者がドナー要請者に対して臓器移植を意思を表明することが出来ます。
3.行動経済学とドナーカード
実はドナーカードは世界各国で表示の仕方が異なっています。日本はドナー希望者を承諾する是非について意思決定ができるような表示設定になっています。(図)

参照:https://sl.bing.net/bsGkw5sgo3M
一方、欧州では特に表示の仕方の変化が顕著に表れています。例えばイギリスやドイツなどは「承諾したい場合に意思表示を設計」を採用しており、フランスやオーストリアなどでは「拒否したい場合に意思決定をする設計」を採用しています。
ここで補足ですが、ブログ当初に記載した3つの事例が示しているように、人間には面倒なことを先延ばしに行動をする惰性の行動があります。つまり、”めんどくさがり”なのです
本題に戻ります。イギリスなどの「承諾したい場合の意思決定」を「オプト・イン」といい、フランスなどの「拒否したい場合の意思決定を」を「オプト・アウト」といいます。
この2つの表示方法の違いによってドナー提供者が大きく変わるそうです。その違いについて第4章で説明しようと思います。
4.ヨーロッパのドナー希望者の違い
補足で説明した’’めんどさがりな人間’’の行動は重要な意思決定でもあるドナー提供にも表れます。

リンク;〈臓器提供の同意率〉日本はわずか10.2%だが、フランスはほぼ100%…その「予想の斜め上」を行く“理由” | ゴールドオンライン
図のように「アプト・イン」を採用している国々ではドナー提供希望者は「アプト・アウト」を採用している国々よりも圧倒的に低い水準にあるのです。
つまり、人間は重要な意思決定でもしっかり熟考して行動を決めるのではなく、あまり考えずに意思決定をしていることが明らかになってしまったのです…
まとめ
本日はドナーカードについて行動経済学的な見解から人間の行動について明らかにしてきました
このブログでは
-
行動経済学を日常やビジネスにどう活かすのか
-
マーケティングの理論が「現実でどう使われているか」
-
国内外の研究や実例をわかりやすく解説
など、学術 × 実務 をつなぐ視点で情報を発信しています。
将来は、海外大学院に進学し、行動経済学を活用したマーケティング・公共政策の領域で研究を深めることを目指しています。
「経済学って実はこんなに日常に役立つんだ!」
と思ってもらえるような、分かりやすい記事を心がけています。
投稿は毎週、月・水曜日に書かせていただきます。ぜひ楽しんでいただけたら幸いです。
<参考文献>
・筒井ほか(2017.5.11)「行動経済学入門」(リンク;Amazon.co.jp: 行動経済学入門 eBook : 筒井 義郎, 佐々木 俊一郎, 山根 承子, グレッグ・マルデワ: 本)
・日本臓器移植ネットワーク(リンク;意思表示の方法|日本臓器移植ネットワーク)

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